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けっこう前の話になりますが、現代社会を舞台にした未訳ホラーTRPG『KULT』の第三版で遊びましたので、ゲームの紹介とプレイレポートを書いておきます。というわけで、まずは紹介から。

なお、『KULT』にはとんでもなく奥深い世界設定があり、そっちも非常に魅力的なのですが、紹介文でネタバレするのもどうかと思うので、ここではホラーゲームとしての『KULT』の魅力について主に書いておくこととします。

ちなみに3版ルールブックの正式名称は『Kult: Beyond the Veil』、出版は7th Circle Publishing です。

ホラーTRPGといえば『クトゥルフの呼び声』や『ゴーストハンター』が有名どころですが、『KULT』はそれらとは少々異なったスタンスを持ったゲームに仕上げられています。

大きく異なるところは、従来のホラーTRPGがモンスターのような外的な恐怖が基本的な恐怖となっている対し、『KULT』は人間の内面から浸みだしてくる恐怖も重視しているところでしょう。『KULT』には、他にも良い点がいくつかありますが、僕が一番好きなのはこの部分です。

ホラーTRPGのキモは、どれだけ恐ろしい体験を演出できるかにかかっています。ですが、これは非常に難しいことです。なぜかというと、どんなに恐ろしい存在であろうと、何度も会えば、その恐ろしさに慣れてしまうからです。

例えばヴァンパイアは、ホラー映画や恐怖小説に登場する伝統的な存在ですが、ホラーTRPGでヴァンパイアが登場してきても、キャラクターはともかくとして、プレイヤーはほとんど怖がってはくれないでしょう。狼男でもフランケンシュタインの怪物でもそうです。恐怖を喚起するには、それらは手垢が付きすぎているのです。

このことは、恐怖を目的にホラーRPGで遊ぶことに対する、大きな障害となっています。誰も想像したこともない、恐ろしい怪物なんて、そうそう考えつけるものはないですからね。『クトゥルフの呼び声』が成功したのは、恐怖の対象である神話生物を、圧倒的かつ独特の存在にしたてたことが大きな要因でしょう。

『KULT』はこの問題点を、人間の内面に目を向けることで解決しています。『KULT』における恐怖は、生理的・文化的な誰もが恐れる恐怖だけではなく、忘れたい過去やトラウマといったキャラクターの内面にその根元を持つ、個人的な恐怖も含んでいるのです。

例えばの話ですが、あなたは道路に転がっている靴を、怖がったりはしませんよね?
しかし、あなたの演じているキャラクターが、子供を自動車事故で亡くした母親であったなら、話は違ってくるはずです。車道の転がる靴は、ただの靴ではなく、キャラクターの最悪の記憶を呼び覚ます忌まわしい物となるでしょう。しかも、その靴が昔、子供が履いていたのと同じ種類の靴だったら?、違う場所に出かけているのにも関わらず、道路に目をやると、いつも同じ靴が片方だけ転がっていたとしたら?、いつまにか自宅の靴箱の中に入っていたら? 

これが『KULT』の恐怖です。
どうですか、怖くて、そして面白そうでしょう?



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ヤネウラ

Author:ヤネウラ
私ヤネウラがけっこう衝動的に、ゲームとかTRPGとか漫画とか小説とかジョークとか、そういったものについての思いのたけを書きつらねているブログ。好きなジャンルはSF、推理、冒険、恐怖、幻想、神話あたり。コメント、リンク、トラックバックは大歓迎ですよー(でも内容に関係ないのは勘弁な)。

TRPGのプレイレポートはこちら

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